2022-04-24 14:49:08 +05:30

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—第四折·挑燭灯—
生:範皆
旦:梓心
武丑:呉旺
『第一場』
(範皆左側から出場、梓心右側に座る)
(東塘連江)
範皆:女子を攫う賊が憎い。それに、意中の人の安否が心配だ。
範皆:法に従わない者たちに、この範皆が天誅を下そう。
範皆:参る——
(範皆、馬鞭を打って呉塞へ)
(話)
範皆:遠くから騒ぎを聞きつけ、ここまで馬を走らせた。
範皆:ここがその者らの拠点に違いない。
範皆:梓心を救いたければ、賊の拠点に潜りこんで探さねば。
範皆:ふむ、これしかない。
(範皆、壁を乗り越え退場)
(落花調)
梓心:中には蝋燭と灯のみ、外には賊たちが…
梓心:こんなことになるなんて…一体どうすればここから逃げられるのでしょうか…
『第二場』
(呉旺酔っぱらいながら、右側の門を開け出場)
(語)
呉旺:俺様は昔から好きにやってきた、神でさえ俺様の前では跪く。
(話)
呉旺:ハハハッ、なぜこんなに嬉しそうにしてるかって?ヘヘッ。
呉旺:べっぴんな女を攫ったからさ。
呉旺:いつものように酒を楽しんでから、美人に会いに行くか。
(東塘原櫂)
梓心:酔った悪党がやって来ます。蝋燭を手にしなくては…
(話)
梓心:来ないでください。
(呉旺と梓心取っ組み合い。梓心蝋燭で呉旺を打つ。呉旺と梓心倒れる)
(東塘原櫂)
梓心:やみくもに打ったのが当たりました。早く逃げなくては…
(話)
梓心:灯りも何もありません。どうしてこんなに暗いのでしょう。
梓心:蝋燭を付けて——
梓心:いえ、もしあの者に捕まってしまったら、命はないでしょう…
梓心:このまま暗闇を少しずつ進んで行くしかありません。
梓心:そうですね、やはりこのまま行きましょう。