2022-04-24 14:49:08 +05:30

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815 B
Plaintext

海の男が使う銅色の羅針盤。
波に揺られる一生で、
持ち主の心想を指す。
じだらくな船師はかつてこの羅針盤で巨船を引き、
危険な海域を超克し、巨大な渦潮を征服した。
奔放な笑い声から滲み出た恨みと酒、
死を求める結末で、落魄れた者を導いたこともあった…
「小賊はいずれ絞首台行きだ…お前らの歌はこう歌うよな?」
「居場所さえあれば、魚の餌になっても構わない——」
「船隊に入った時にこの船と契約を結んだじゃないか?」
「その記憶も酒に洗われたのか?ハハハハハ!」
「忘れてなきゃいい。さあ、契約を果たす時だ。」
「ああ、それでいい。もうどうだっていいんだ…」