2022-04-24 14:49:08 +05:30

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——石獣——
璃月の大地には、未だにまだたくさんの石像が残されている。それは璃月の民が五風十雨、山岳安定を祈念するために立てたものだったが、他にもっと古くから存在していた石像がある。
碧水川の漁師、荻花洲の荻花採取人、そして古い鉱山の採掘者の間で言い伝えられている話がある。璃月のある辺鄙の地に、古の石獣が涼しい秋の夜に急に目を覚め、この様変わりしていく世界を見渡り、自分と呼応する蛙と虫の鳴き声に耳を傾け、石化した喉から掠れた咆哮をあげる。そして、彼らはこの璃月の大地で歩き渡り、かつて自分たちが守っていた土地を巡る。
石獣たちが動いているところを目撃した人がほとんどいないが、地理に詳しい住民たちは、もう石獣の移動や姿勢の変化に慣れている。そして、夜に露営している眠りの浅い者たちも、時々水流の音よりさらに低い音を聞こえることがある。
この古の石獣たちはどこからきたんだろう。軽策荘の老人たちによると、彼らは昔岩王帝君のもとで征戦する仙獣だった。魔神の混戦が収束した後、璃月の大地から海水が消え、平和が再び訪れたが、仙獣たちは神々の戦で人間を守る役割を失った。その後、彼らは姿を隠し、俗世に関わらぬよう暮らしていた。
しかし、かつて岩の神に仕えた頃が懐かしく、これからも璃月を守り続けたいと願う仙獣もいた。仙獣は非凡な生き物ではあるが、寿命に囚われるのだった。だから、彼らは岩王帝君に願った、不変の岩になりたいと。こうして、慈悲深い岩の神は彼らの願いを聞き入り、彼らを朽ちることがない山岩へと変化した。