2022-04-24 14:49:08 +05:30

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——絶雲の間·奥蔵の天池——
この前書いた日記をまたも失くした。日記をちゃんと保管しろ、日記をちゃんと保管しろ、日記をちゃんと保管しろ…って、3回も自分に言い聞かせたのに。それでも、冒険の途中でまたうっかり失くしてしまった。たくさんの紙を無駄にしている、草の神よ怒らないでくれ。
曲がりくねる山道と昔の薬採りが敷いた桟道に沿って奥蔵山を登る。険しく、湿った岩壁を登ってこの天池に辿り着いた。以前出会った漁師が、この湖の水深は数千にも及ぶと言っていたが、実際入ってみたら、やはり大げさだった。
だが、軽策荘の老人たちが言っていたことは本当だ。さすが仙境という名を背負うだけあって、天池の湖水は温かく甘い。絶雲の間に入った当初、一人の年老いた農夫が私にこんなことを教えた。神通広大な仙人が雲となり霧と化して雲海を漫遊する。その時は、そんな田舎の伝説を信じられなかったが、今、湖面から出た霧が手の届きそうな雲海へと昇っていく光景を目の当たりにすると、信じざるを得ない。もしかしたら、探していた仙人が今、私の頭上を漫遊しているのに、私は全く気づいていないのか?
東の奥蔵山から下山し、複雑な迷宮のような山林で道に迷った。再び視界がよくなった時、自分はまたも碧水川にいた。ここなら見通しが良く、休憩場所に最適だ。今日はここにテントを張ろう。
テントの支度をしている時、宝探しに来たように見える若い女の子と出会った。彼女はエドワルドと名乗った。彼女はこれから西に向かい、奥蔵山の下にある仙湖に行くらしい。
「伝説によると、奥蔵山の北の麓、ここより西のとある湖畔に一人の仙人が住んでいるみたいなの。なら仙人の秘宝もきっとそこにあるはず。アハハハ、宝物を見つけたら…」
彼女は急に真顔になると、こう言った。「協会に連絡してみて私は冒険者協会の正規メンバーだからね、宝盗団とは100%無関係だよ!」
確かに、冒険を追い求める人もいれば、ただ宝をお金にするため追い求める人もいる。璃月人曰く、「人それぞれの志があり、想像などできぬ」とのことだ。でも雰囲気から察するに、彼女は善良な冒険者仲間だ。
西に行って、彼女が言っていた「仙湖」を探索するのも悪くないが、やはり計画通りにしよう。特別な事情がなければ、これから帰離原に向かい、あそこの風景と宝物を発掘する。もちろん、ヘマをしなければこの日記も失くならない。絶対、ヘマをしないようにしなくては。