2022-07-12 13:03:35 +05:30

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Plaintext

(古びたノートには、綺麗な字でこう書いてあった…)
これを見つける人がいるかどうかは分からないが…
残念ながら、これは遺書なのだ!
…とにかく、オレはこの島で冒険していたんだが、この部屋に閉じ込められた。この島、人を閉じ込める部屋が多くないか?オレの知恵なら、前回の密室を解いたときと同じように、この部屋も簡単に解けると思ったが…やっぱり無理だったよ。
よく考えてみれば、前回はメッセージがあったからこそ装置を解くことができた。これってオレの知恵とはあんまり関係ないよな。どうやら、オレは本当に冒険者に向いていないみたいだ…
食糧もなくなったし、方策は尽きた。もうおしまいだ。
こんな時には、モンドの白黒の猫ちゃん、ベラのことを思い出す…ベラ、レストランに行くたびに、君はいつもオレの皿を踏んできたよな。オレはもうレストランに行けないけど、君は寂しく思ってくれるかい…
「あたしに皿をいつも踏まれてるあの人間、もう長い間見てないにゃ…」
そんなことを思ったりしてな、ベラ?…まあ、ないだろうけど、ハハ。
レストランと言えば、最後にレストランに行ったとき、鳥肉のスイートフラワー漬け焼きを食べた。
モンドの鳥肉のスイートフラワー漬け焼きは、世界一の美味い。——沢山の場所で、沢山の料理を食べたオレがそう言ってるんだ。
そんなことを考えてたら、腹まで歌を歌い始めちゃったよ。
ああ、鳥肉のスイートフラワー漬け焼きが食べたいなぁ…一口でいいから…
ウォルフガング