2022-10-31 19:05:46 +05:30

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第三十九回·行商日誌
襲われてから十日目:
……
ありがたいことに、近くに農民たちがいた。彼らもまた狂暴なキノコンに包囲され、ここで臨時のキャンプを設営したようだ。
この心優しい農民たちが十分な食料と薬草を持っていたおかげで、大勢の人の命が助かった。
だが、何人かの仲間たちは乗り切ることができなかった…
この林を抜けると、より多くのキノコンたちが周りに群がっているのが分かる。そいつらは今も狂暴なままだ。
俺らはまだ離れることができない。少なくとも、やつらが移動していなくなるまで…まあ、移動することがあればの話だが。
どうやら、ここで長い時間を過ごすことになりそうだ。
……
第三十九回·行商日誌
襲われてから四十二日目:
……
自分がこんなにも長いことキノコンのせいで足止めを食らうなんて、これまで一度も思ったことはなかった。今日もここから離れられそうにはない。
ラビッブは鍬を手にキノコンと戦おうとしたが、他の農民たちに止められた。もし、このリーダー格である農民までキノコンのせいで失われたら、みんなも耐えられないだろう。
この純朴で穏和な農民まで耐えられなくなっているんだ。他の仲間たちの気持ちも容易に想像できる。みんな心の中で少なからず不満を抱いていることだろう。
近くで採れるザイトゥン桃と農民たちが備蓄している食料…合わせてあと何週間かは持ち堪えられるだろう。
農民たちのアドバイスを聞いて、俺たちも適切な種を選び、作物を栽培し始めた。
キャンプ地も拡張する必要がある。長期間ここに囚われることを覚悟して、小さな村へと改造しなければ。
キノコン被害者による村落?皮肉なもんだ。
作物が熟す前に、餓死しなければいいが。