2022-04-24 14:49:08 +05:30

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Plaintext

美しい礼帽、時を経てもその美しさは変わらない。
よく聞けば、古くて抑揚のある音が聞こえる。
千年前に、大地を流浪した楽団があった。
楽団は楽譜がなかった。見たことを歌って、聞いたことを奏でた。
やがて楽団の人はこの世界の広さに気づいた。
「ああ。世の中に、歌にできるものがこんなにいっぱいあるとは」
メンバーたちは音符を言語として、見たことや聞いたことを記録し始めた。
死んでも楽章を手放さなかった人は指揮者であった。