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——俺の庭は宇宙より広い——
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「あんたに手伝ってもらうしかない」黒髪の少年は「エーク」と名乗った。彼はヴィーラに包丁を手渡す。
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彼は棚の前に立ち、猛然と触手を切り刻み始めた。
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「ドアを閉めろ、もし触手が攻撃を仕掛けてきたら、その包丁で身を守るんだ」そう言ったエークの眼鏡は青い粘液に染まっていた。「急げ! デルポイにこの邪神を降臨させてはいけない」
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ヴィーラはドアを閉じる。 触手の猛攻をさばいているうちに、エークの背中には刺し傷が二箇所。幸いにも、エークの治癒魔法により傷は癒えた。
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「ああ、実は言うと、俺は1000年生きているんだ。このドアは宇宙のありとあらゆるところに繋がっていてな。さっきのは大マゼラン雲の旧支配者だ、そこである物を拝借しようと思ったんだよ」エークの全身は粘液まみれだった、彼はヴィーラのスカートで眼鏡の汚れを拭き取る。「で、他に聞きたいことはあるか?」
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「タールって誰?」ヴィーラは、あまり興味なさそうに尋ねた。
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「あいつはカニバルキャッスルの悪霊だ。俺の支配下に入ってからは、ずっと執事を務めてくれている。どうして彼が、お前に親切なのかは謎だけどな」
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ヴィーラの両親はずっと「人はいずれ自分の家庭を築く。遠方への憧れは永遠に叶わない」と口を酸っぱくして言ってきた。親友であるサッチは「君みたいな破天荒な子が遠方に嫁いだら、この町が寂しくなるな」と言った。
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(サッチの場合、ただ単に貧弱だから、男友達にいじめられると思って言っただけかもしれない。)
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「人間の精神は未熟だ、俺はお前たちを幼少期からその先へと導く必要がある」エークはヴィーラに誘いの手を伸ばした。「一緒に歌おう、そして青春を送るんだ」
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オリオン座から永遠の魔神の城へ、時間の激流から星の海が輝く奥の奥まで……
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「どれほど離れれば、それは遠方となる?俺の庭は宇宙と同じくらい広い」と彼が言った。
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「遠方の定義は心とともに変わる」エークは続けて言う、「俺の心は宇宙よりちょっとばかし広いぞ」 |