2022-04-24 14:49:08 +05:30

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前回の続き。黒狐の達は女強盗「戸隠の双鬼」を仲間にして、旅に出た。
三人が紺田村でひと休みをしている時、ある親子と出会った。
親子ははるばるセイライ島から来た楽師だ。婦人の名字は葉山、少女の名は優。お祭りに参加すべく、稲妻城に向かっている。村の瓜売りが「善意」でスミレウリを提供してくれたが、食べた後、ありえない値段を払えと言われたそうだ。旅芸人に大金が払えるはずもなく、困っていると……
「戸隠の双鬼」は気性が荒い。親子の話を聞いて、悪徳商人を八つ裂きにしてやると、怒りをあらわにした。黒狐の達は何か思いついたようで、双鬼姉妹を止めた。
「いい、わかった」
そして、親子をなだめた。
「お二方、どうぞご心配なく。話をつけてくる故、少々お待ちを」
そう言って、悪徳商人に会うべく、大股に立ち去った。