mirror of
https://github.com/Koko-boya/Grasscutter_Resources
synced 2024-01-31 23:23:19 +08:00
20 lines
1.8 KiB
Plaintext
20 lines
1.8 KiB
Plaintext
|
|
希少な黒岩で作られた長弓。風に導かれた矢は百発百中となる。
|
|
弓柄の中央は黒いが、両端は血のように紅く、握れば冷たく感じる。放たれる矢はまるで流星のよう。
|
|
|
|
璃月の雲氏一族は長い歴史をもつ鍛造の名門である。さらに七代目の雲輝は七星の一人で名望が高い。
|
|
雲輝には一人の娘がいる。名前は雲凰。一族の慣習に倣うと、雲凰の夫になる人が雲輝の跡を継ぐことになる。
|
|
幼い頃から武術を学んだ気が強い雲凰。彼女は「女性でも跡を継ぎたい」と主張し、一時話題になった。
|
|
しかしこの時、雲凰が跡を継ぐ可能性は低いと思われた。
|
|
|
|
当時の大地は危険だった。頻繁に坑道が崩落していた。
|
|
崩落によって鉱物が地中深くに埋まり、採掘ができなくなった。武器の鍛造や跡継ぎの話も難しくなってきた。
|
|
その日の夜、彼女は眠れずに居た。一族の歴史が自分の代で終わるのではないかと心配した雲凰は、
|
|
悲しみに暮れ、神に祈るしかなかった。
|
|
|
|
翌日、かつて父の跡を継がなかった寒策は職人の衣装で現れた。
|
|
そして、木の匣を雲凰に渡した。中には「試作」を改良した設計図が入っている。さらに一張の弓も取り出した。
|
|
「全ての始まりは黒岩である。終わる時も黒岩であろう。雲さんは弓使いと聞いたが、差し支えなければぜひ使ってくれ」
|
|
雲凰はその弓を引いた。矢は稲妻のように天へと飛んでいき、弦の空気を震わす音が山に響き渡った。
|
|
雲を裂く一矢。鉛色の空から顔を出した月を見て、彼女は転機を予感した。
|