2022-04-24 14:49:08 +05:30

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西風騎士団の魔法学者の間に伝わっていた秘伝の書。彼ら全員の知恵を記録している。
本には元素が凝縮された結晶玉が嵌められている。西風秘伝の書が少ない理由はこれである。
結晶が珍しいわけではない。西風秘伝の書は学者たち自らの手で製作しなければならいからである。
元素の真髄を習得した人に限り、この結晶宝玉を作ることができる。
騎士団設立後、暁の騎士ラグヴィンドは旧貴族の室内浴場を図書館に改装させた。
無数の詩人、学者、旅人のおかげで、今のモンドは北大陸において最大の蔵書量を誇る。
歌声や美酒は所詮一瞬の娯楽であり、物語と知識こそ永遠に続く美しい光。
実は今の図書館は最盛期の広さの六分の一である。
「秋分の大火」という大火災で、図書館の一部が焼尽した。
図書館の地下室に、ポプラの木で作られた頑丈な扉がある。
図書館と騎士団設立の前からあったその扉は、
大火災においても無事だったらしい。
騎士団公式の知らせによると、そこは禁書エリアである。
しかし噂によると、もっと深い秘密を抱えているようだ。