2022-09-27 21:30:24 +05:30

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Plaintext

寒冬の中で希望を探してくれる異邦人、
晶氷で彫刻された痛飲用の器。
盃によそわれた酒は氷剣の如く喉を刺す。
普通は遠ざける舌触りだが、沈黙の勇者はそれを気に入っている。
彼は氷のような沈黙の戦士、その身で星々よりの寒風を防ぐ。
守られることに耐えられなかった少女は、憧れの人に告げた。
「臆病と絶望があなたを押し倒して、あなたが二度と戻って来なくなっても…」
「…生き延びるのです。私たちと共に滅び、冷たき意志に飲み込まれてはなりません」
別れの酒が口を潤すと、少女の濡れた瞳を避けて、
彼は終わりのない道に辿り、雪境と深淵へ旅立った。