2022-07-12 13:03:35 +05:30

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<center>——開幕——</center>
<center>我々の聖なる統治者、幽夜浄土の皇女!</center>
<center>彼女が見せる英明な統治、公正な裁断、バラのように優雅な姿は称賛に値するものである。</center>
<center>雷霆は彼女のために咆哮し、高塔は彼女のために建てられた。</center>
<center>浄土の国の領主たちと、忠誠な大書記官オズヴァルド·ラフナヴィネスは、貴女の勅命を待っている。</center>
<center>そして、高き山嶺の如く静寂な騎士たちも今ここに集った。</center>
<center>第一席、勇気の騎士。龍の鱗を貫くほどの鋭い剣を持つ。</center>
<center>第二席、誠実な騎士。その鎧は、龍の翼が巻き起こす暴風にも耐えられるほど頑丈である。</center>
<center>第三席、善良な騎士。品行方正で、闇に怯むことはない。</center>
<center>他の騎士たちもその後に続き、塔の頂上にいる皇女の足元に集結した。</center>
<center>やがて皇女は、深き夜を見つめる目を逸らし、臣下たちに言葉を告げる。</center>
<center>「勇気、誠実、善良、それと卓越せし民たちよ、永劫にわたくしに従いなさい」</center>
<center>「何故なら、わたくしは幽夜浄土の至高なる者。心の臓が鼓動し続ける限り、あなたたちを見捨てることはないのだから」</center>
<center>騎士たちは、彼女にこう答えた——</center>
<center>「我々の剣と鎧は、貴女のためにあらゆる桎梏を打ち砕き、すべての侵略に抗いましょう」</center>
<center>「そして真心も捧げ、貴女の聖潔なる魂を守ります」</center>
<center>これは邪龍タスラクと対抗するため、皇女の腕となった騎士たちの誓いである。</center>
<center>彼方では、邪龍タスラクが万物を庇護せし夜空を引き裂き呑み込むと、それを己の巣穴としていた。</center>
<center>その爪と牙を研ぎながら、ゆっくりと歩む邪龍。火を孕んだ吐息が皇女の心を焼き、瞳を赤くした。</center>
<center>それは皇女の宿敵であり、いずれ戦うべき相手。</center>
<center>しかし、運命はすでに預言を下している。誠実で善良な魂たちにとって、それは心配する必要のないこと。</center>
<center>ただ目を見開き、彼女が勝利を収めて凱旋する瞬間を見届ければよいのだ。</center>
<center>——閉幕——</center>
備考:『フィッシュル皇女物語』によると、皇女フィッシュルは「赤い宝石のような瞳」を持つとのこと。それをしっかり再現できるよう、役者のフィッシュルさんには見た目を調整していただきたい。