2022-04-24 14:49:08 +05:30

16 lines
1.3 KiB
Plaintext

親愛なる我が子 頭師長次へ
この手紙を読んでくれたら、お母さんのことを許してほしい。
あなたたちを置いていってしまうこと、私もとてもつらいわ。
でも、希望を捨てないで。お母さんに絶望しないで……長次とお母さんがずっとお父さんは生きていると信じるように。
島の「祟り神」は危ないから、くれぐれも自分を大切にして。
「祟り神」が現れたから、きっと戦争ももうすぐ終わる。そしたら、みんなが武器を下ろして、一緒に島の穢れをなんとかしようとするだろう。
もしかしたら、お母さんはその光景を見ることができないのかもしれないけど。
これから悪い人に会うかもしれない、長次を利用しようとしたり、傷つけようとしたりする人もいるかもしれない。でも希望は捨てないで。悪い人ばかりではないのよ。
戦争が終わったら、きっとすべてが良くなる。
でも、絶対、絶対に、私の後を追おうとしないで。急いで会いに来ようとしないで。お母さんからのお願いよ。
お母さんを信じて。
きっと帰って、長次とお父さんに「ごめんなさい」を言うから。
それまで待っていて。