喜多院文宗が自身の槍術に合わせて設計した変わった形の槍。 素人が扱えば、特殊な重心が扱いづらく感じてしまう。 だが正しい使い手なら、破格の破壊力を発揮できる。 喜多院は遥か昔、「祟り神」を殺す家系だった。 長い間、「ヤシオリ守」を務めてきた。 昔々、稲妻の地に伝わる童謡にこういうものがあった。 「大手門荒瀧、胤の岩蔵、長蛇喜多院、霧切高嶺」 大地を照らした眩い武人たちを讃える歌だ。 昔はもっと沢山の名前があったが、それらは歴史に埋もれていった。 長年妖魔を殺す者は、穢れた血を飲むこともある。