五歌仙容彩·葵の翁編 年老いて 冠掛けし かたはらは 松影霞む 月ばかりなり 敢へ無くも からき命を 守りたり 逆ふることは ほいなきにこそ しぶしぶに せいて探りて 見つけたるを 衣の中に もて隠したり 脅しつるは 何人ならむ 如何にぞや 恐らくかのもの たぶれたるべし 赤人を 想ひて詠んだ 歌ゆゑに 友は何処や あな口惜し