彼はとてつもなく長い夢を見た… 夢の中で彼は仲間とはぐれ、遠い道を行き、 歌声が響く、緑の草原にたどり着いた。 心優しい人々と共に歌を歌い、 宝石のように美しい巨龍と共に空を舞っていた。 目を開けると、吹雪が吹き荒れる山脈にいた。 緑の大地は火と血によって赤く染められ、 詩人の琴の音もその中にかき消された。 そして宝石のように美しかった巨龍は、 恋人のようにその牙を彼の首にあてた。 「さらばだ、これで俺の旅は終わった」 「白銀の雪の中に眠るのも悪くない」 「さらばだ、美しい詩人、美しい龍」 「もし違う場所、違う時間で」 「出会い、歌い、踊っていたら、どれだけよかったか」 死に向かう彼はそう思った。 「俺の血に宿いし祝福よ」 「この美しく漆黒の宇宙は」 「お前たちが引き継いでくれ」