千岩軍の兵士は長柄武器使いとして有名である。 手にする白纓槍は黒岩場の量産型の物。 この武器は数千年の間に起きた戦いを経験してきた。 白い紐が汚れても、戦場に舞う。 伝説によれば、かつて千岩軍に槍術の達人がいた。 千軍万馬の戦場で槍の白紐を汚さずに敵の将軍の首を簡単に取ったという。 「しかし、その伝説の主人公は槍を手にする英雄である」 「その武器はただの普通の武器だ」 年寄りの職人は弟子の頭を軽く叩いた。 新しく作った槍に、弟子に白紐をつけてもらった。