かつてモンドを支配していた旧貴族に使われていた長剣、その材料と細工は極めて凝っている。 よって、長い年月が経った今でも、切れ味は当初のままである。 剣術は貴族の必修科目の一つだった。 身を投じて戦う人の勇猛と違って、彼らの身振りは知性と気品に溢れていた。 しかし記録によると、最終的に彼らの剣術からはその知性や気品は失われてしまった。 二千六百年前、モンドの地で最古の血統は、 新風神が降り立って天地を作ったあとに、厳粛な誓いを立てた。 「永遠にモンドを護り、モンドの青き平原、山と森に永遠の命があらんことを」 「永遠にモンドを護り、暴君の如き風雪と風雪の如き暴君に困ることなく、永遠の自由があらんことを」 時間が経っても、暴君と魔獣に蹂躙されても、たとえこの誓いの石碑が壊されても、 誓いの魂は千風になって、恋人のようにモンドを撫で、父のようにモンドを守る。