金銭が流通する軌跡は、世界の静脈を構成する。 ならば世界の中心とは、黄金の心臓とも言えよう。 認められることのない彼は、俗世の力を追求するしかない。 しかし、「彼ら」にとってなんの意味もない金銭も、 無数にある権能の一つとして、「神」の手中に収まっている。 もしかすれば、彼がかつて貧しかったが故に、金銭に対して病的なまでに執着しているのかもしれない。 もしくは、神の支持を得られなかったが故に、対抗の意志を燃やした… 「金貨発祥の地の人々は、『契約』を重んじる。」 「金銭の名のもとに、『契約』を守ろう——」 「すべての手段を使い、世界を流通する金の心臓になる。」 「そして必要な時に、自らの意志でその心臓を止めるだけだ。」