精美な部品を飾った懐中時計。 しかし、ある時間に止まった。 稲妻の志怪小説では、 非人のものとであう物語と関わっている… 夏祭りの夜に、好きな少女と参道を歩いた。 かすかに、私は迷子の泣き声を耳にした。 恍惚して、足を捻挫して、懐中時計も壊れた。 彼女が薬を取りに傍を離れた。 私は通行人の道を避けて、 道端の岩で休憩をとった。 面を被った麗しき女性が隣に座った。 「ここは人が少ないね」 「花火を見るいい場所だわ」 ただの夢かと思った、 十年ぶりの再会だったが、 十年が過ぎても全然老いてないが… 「お主も大人だし、風船釣りは止めておこう」 「どうだ?酒を持ってきてぞ、一緒に花火を見るか」