山の峯に残された片羽は、 青色の頂のように鋭かった。 天地がまだ今の形ではない古代、岩君が山を抜いて巨鳶を作ったと言われる。 鳶は玉と岩で作られ、形を取ると空へ飛び立ち、 九天まで至り、数多くの山峯を彫り出した。 そして、岩の鳶は海へ飛び、 槍のように落下し、 海獣へと沈んだ。 今も海の岩柱が鳶たちを吸い寄せていると言われる。