話しによると、 歴代の主祭は生涯の末で同じ光景を見た。 秘境の中、無数の礼冠が枯木の下に積もっている。 その一つ一つに一生をかけて守った秘密が隠されている。 毎代の主祭は退任すると、被っていた白き礼冠を世界に戻した。 かつて繁栄を誇った古都と祭場も、すべて深い大地に戻った。 すべての繁栄には終わりがある。 けれどそれが永遠ではないとは限らない。 循環の終点には、大地が再び春を迎える。だから、「永遠」は環の形だ。 「真相を探す」のは繁栄がもたらした知恵であるが、繁栄を生み出す種ではない。 話しによると、 昔のある時代に、地上の人たちは天空の島からの啓示が聞こえた。 神の使者が未開の人間の間を歩いて、万物の気配は弱まり、大地が凍り始めた。