青い宝石で作られた懐中時計、見た目は極めて精巧で美しい。 時を経ても、カチカチと鳴っている。 かつてモンドを支配していた旧貴族の懐中時計、今でも精確に動いている。 時間を守ることは最も基本的な美徳の一つ。そのため、貴族はいつも手元にこれを置いていた。 臣民に用心させるためだけでなく、自分を律するためでもあった。 正しい貴族であれば、毎朝、民よりも鋭敏でなければならない。 また夜になれば、民よりも先々まで深く考え、より早く起きなければならなかった。 だが長年を経て、厳しかった貴族の日課は怠惰な子孫によって捨てられた。 貴族の懐中時計はより煌びやかとなり、その荘厳な意味は失われた。