透き通った琉璃瓶。中には液体の炎が流れている。 液体の炎の作り方は、今はもうその伝承が絶えてしまっている。 炎の魔女は各地を旅し、猛烈な灼熱の炎で魔物を焼き殺した。 彼女が人間をやめたとか、体に流れているのは血液ではなく液体の炎だと言う人がいた。 だが、彼女もかつては少女であり、心には愛と思慕の念があった。 一本の火が、少女の心にあった全ての美しくて弱い部分を焼き尽くした。 その後、彼女は歴史学者が記録するのも忌避する魔女となった。