猛火を浴びた高く鳴く鳥の羽根。火渡りの賢者が手に入れた。 つけると野火に羽ばたく音が聞こえるらしい。 伝説によると、生まれつき孤高な鳥がいるらしい。この鳥は火の中でも歌う。 民衆は鳥を崇拝し、君主は宝として大事に扱った。 火山の地の賢者は鳥の羽根をつけて、烈火に身を隠した。 孤独に生まれた彼は孤独に還って、そのまま行方不明になった。 それ以来、静かなマグマの奥から鳴き声が聞こえる。 あれは猛火を浴びた鳥の鳴き声か、それとも火渡りの賢者の愁吟か?