自分の指さえ見えない深夜にでも、放浪医は仕事に行かなければならなかった。 暗い夜には無数の危険が隠されている。よって通行人は梟のように常に注意しなければならなかった。 梟の終わらない見張りのように、疲れ果てた放浪医はついぞ倒れた。