希望は強権に引裂かれ、再会の約束は水の泡に変わった。 天地を流浪する旅人は、もう一度帰る場所を失った。 邪悪な笑顔が愛しい人を奪い、 終わりなき争いが心を滅ぼした。 優しい旋律も、楽しい旋律も、 すべて耳障りの音に変わった。 旧き友のために、最愛の人のために、二度と酒を交わすことができない杯のために。 自由のために、生命のために、笑顔を奪われた彼女のために。 覚悟を決めた旅人は最後の弦を響き、最後の矢を射た。 その命がだんだん異国の大地に沁みる時、旅人は空を仰いだ。 そうだ、この地の空も、故郷の空と繋いでいたんだ…